今も昔も脱サラして商売する際の定番の起業と言えば飲食店の経営を選択する方が多いです。
それはある程度のお金や信用があれば開業しやすいからです。
しかし開業しやすいがゆえに需要に比べて供給が多い状態にあるのも事実です。
とは言うもののその競争を勝ち抜いて老舗のお店へと変貌をとげる店もあり、そういったお店はブランド化され常連のお客さんがつきますので余計に繁盛しやすいお店になるでしょう。
どういったお店が勝ち残っていくのか、飲食経営の専門家であるレモンカンパニーに聞いてみました。
1,自己資金
まず先立つものはお金ですが、今は政策金融公庫が低金利で貸してくれます。
借り手の信用度にもよりますが3%くらいが目安となります。
もっとも自己資金を多く用意できるのであれば金利を払わなくてよいので望ましいですが、お店の開業にはそれなりにお金がかかりますし、運転資金が尽きてしまったら廃業せざるを得ませんので十分に余裕をもった金額を手元に置いておくほうが望ましいです。
開業資金の目安はテイクアウト専門のクレープやちょっとしたお菓子など狭い場所でやるようなものは500万円から、カレー、天丼などのファストフードであれば2000万円弱、大型店舗であれば5000万円から1億円を超えるような場合もありますのでじぶんが得意なジャンルと予算を組み合わせて決めていく事となります。
2,立地
予算が決まったら大切なのが立地です。
これがほぼ成功するか失敗するかの分かれ目になってきます。
よく失敗する人にありがちなのが、閉鎖した店舗の跡地に新しい店舗を作るパターンです。
必ず失敗するとは言い切れませんが失敗する可能性が多いパターンのひとつです。
閉鎖した理由はたくさんあるでしょうが一番多いのがお客さんがあまり入らずに閉店するからです。
お客さんがあまり入らない場所に新たにお店をつくる意味はありませんので十分注意が必要です。
不動産業者も居抜きで前の経営者が残していった厨房の道具や備品を、そのまま使わせてくれるなど特典を与えてくれるような事を言って来る場合もありますが、開業費用を抑えられたとしてもお客さんが来なければ意味はありませんので立地には十分に気を付けたほうがいいと言えます。
人間の心理として飲食店をOPENさせたいと思うと心が躍りわくわく感があり、1日でも早く自分のお店をOPENさせたくなり、立地もいい所がないと妥協してしまいがちですが、立地がとくかく一番重要なファクターとなりますので妥協しない事をおすすめします。
3,内外装工事
立地が決まったらお店の内外装工事ですが、これは最初はこだわらずにとにかく安く仕上げる事をおすすめします。
飲食店は年数が経過すれば汚れてきますし定期的に内装工事が必要となりますので最初はお金をかけず、利益が出てきたら徐々にお金をかけていく方法がいいでしょう。
厨房器具も同じことが言えます。
居抜きであれば前の経営者が残していったものをそのまま使える場合もありますが、新規に購入するのであれば合羽橋などで中古のいい物が出回っている可能性もありますので、こまめに行ってみると思わぬ掘り出し物に巡り合える事もあります。
インターネットで検索して購入するほうが安く買える事が多い今日この頃ですが、厨房器具は実際に自分の目で見て納得して購入したほうがいいでしょう。
4,従業員
立地の次に大切なのが人、つまり従業員です。
自分ひとりでやれるようなお店であればいいですが、急に休みたい時などもあるでしょうし、大抵は従業員を雇う事となります。
直接募集や求人媒体を使っての募集などいろいろありますが、働き手によってお店の印象が変わってきますのでなるべくならば時間をかけて募集しましょう。
そしてできる事なら時給を少し高めに設定する事で人の集まりもよくなります。
本当は最低時給で募集をかけたいところではありますが、そうすると従業員の質は望めませんし集まりも悪くなりますのでおすすめできません。
心に余裕を持たせるためにも時給は少し高めにして募集をかけましょう。
それでもダメな人を雇ってしまったらその時に解雇などを考えればいいのです。
5,まとめ
とにかく立地と人は妥協してはダメなのでできる範囲で納得する場所と人を選ぶできなのです。
最後に飲食店は1年で半分以上が潰れ、3年後には7割以上が廃業する熾烈な競争を勝ち残っていかなければなりません。
勝ち残るために必要なのは、リピーターを1人でも多く増やす事です。
定期的に来てくれるお客さんがいれば、その分売上が見込めますので安定経営する事ができます。
そのノウハウがないのであればフランチャイズの仕組みを利用する手もありますが、本部に経営指導料などを納めなければならない場合が多いですので、その分利益は低くなってしまうもろ刃の剣です。
自分に自信があればフランチャイズに頼らずにやってみるのもいいでしょう。
ただくどいようですが、いずれも立地と従業員、そしてリピートしてくれるお客さんを獲得する事が勝ち残る飲食店の経営戦略として重要になってきます。